おとめな宝塚

新米そしてライトなファンによる宝塚観劇記

星組『ディミトリ~曙光に散る、紫の花~』観劇~礼真琴さんの「歌」について

星組『ディミトリ~曙光に散る、紫の花~』の観劇後の感想について、礼真琴さんの歌を中心に書きたいと思います。

*プロフィールに書いたように、わたしは宝塚の新米かつライトファンです。わたしの記事を読んで、気分を害された方がいたらすみません。

もともとはオペラファンです。オペラファンは、鑑賞の対象の多くが外国人であることもあって、けっこう自由に辛辣な批評をするので、わたしもその傾向があると思います。

『ディミトリ』で、最初に礼さんが歌い始めたとき、マイクを通しているとはいえ、礼さんのお歌を生で聞くなんて興奮するにちがいないと思っていたのに、「あれ?」となりました。生ではないけど、ライブ配信・映像で何度となく礼さんの歌を聞いてきていたので、完全なる既視感。

この既視感(正確には「視る」ではなく、「聴く」ですが)は、『ディミトリ』の上演中ずっと続きました。

少し困惑しながら、このとき自分の気持ちを分析してみて、ファンとは勝手なもので、現在の宝塚でぶっちぎりで歌がうまい礼さんなのに、そのお歌を聞くだけでも贅沢なのに、「それ以上」を求めてしまったのだと思いました。

しかし、その後のショー『Jaguar Beat』で礼さんの一発目の歌を聴いたときは、「やっぱ、礼真琴すごいわ~」と思ったのです。

この「すごいわ」は、ショーの間、ずっと続きました。

『ディミトリ』では「いつもの礼さん」という気持ちがずっと続き、ショーでは、「すごいわ!礼真琴」がずっと続きました。

ということは、わたしのツボはショースターとしての礼真琴さんなのか、ということになります。

また宝塚から帰宅してから、礼さんの『ロミオとジュリエット』の『僕は怖い』をyoutubeで聴きましたが、礼さんの歌に惹き込まれ、多分何回でもその都度感動しながら繰り返し聴けると思いました。

ということはですね、礼真琴さんは、ショーの中での歌、そして芝居では感情の高まりを出せるドラマティックなお歌で、その魅力を最高に出せる方なのではというのが、わたくし的結論となりました。

ここからは『Jaguar Beat』の感想を書きます。

まずあの音量は下げていただきたい。星組のみなさんのせっかくの歌声を損ないかねないので、適切な音量としていただきたいと思います。

それ以外は、わたしは楽しめました。

上述のように、礼真琴さんの圧倒的な歌と踊りが見られましたし、他の方たちも歌がうまかったですからね。

瀬央さんは前から声がいいと思っていましたが、今回も安定した歌声を聴かせてくれました。そしてオーラも増しているように感じました。(話は逸れますが、瀬央さんってほんと好きだわ。この方が舞台からいなくなったら、喪失感が半端ないと思います。)

暁千星さんは、ビジュアル的には持っているものがよすぎて、何もいうことがないレベルかと思います。あのキラキラ感はなんだ!という感じですね。

ありちゃん(暁千星さん)の歌ですが、独特の魅力があるんですよね。

それはくぐもった声かなあ。。仄暗い陰影のある声。ありちゃんはショースターと見られているのかもしれませんが、あのお声(お歌)は芝居で生きるかもとも思います。

舞台の前方と後方で、礼さんとありちゃんが同時に踊るシーンがあって、「やめて~。目はふたつしかないんだから、どっちも見たいのに、見られないじゃないですか」と思いました。

ダンスに関しては、礼さんとありちゃんをおもに追って見ていましたが、だんだん礼さんばかりを見るようになっていき、完全にしろうとの感想ですが、少なくとも今は礼さんに軍配が上がるかなと思いました。さすがトップ。

ありちゃんは、今のところ、歌とダンスのうまさより、キラキラ感が勝っている感じでありまして、しかし伸びしろはあるにちがいないと思いますので、礼さんのもとさらに磨きをかけていただきたいと思います(←何様。すみません)

最後に舞空さんですが、歌はロミジュリの頃より、ぐんと伸びてきていると思います。

舞空さんの強みは、高音が絶叫にならずに、かといって後ろに引いていく感じでもなく、きれいに出ることですね。これって大きな強みとなると思います。(高音はきれいに出したくても出ない人が多い。)